Tuesday, January 24, 2006

word power to be respected

 “里の鯉”という短編集を読みました。何気ない生活をしている人たちの人知れない過去を綴った少しサッドエンドな話。悲しい結末の中にも何かホッとさせる一面を見せてくれる短編集でした。歳のせいか一瞬、うるっと涙腺が緩みそうになった。
 かなり前に出版された“人間は笑う葦である”。この著者の屁理屈はすごい。理屈のある屁理屈。かなり笑えます。

 最近、文字の力について考えた。よく言われることだが、例えば“世界一綺麗な女性に出会った”という文章を読んで思い浮かべる美女は人それぞれに違う女性なはず。ただ各人にとっての世界一の美女が頭に浮かぶはす。映像美というものも確かに存在するが、世界一の基準が人それぞれ違うので見ている人全員の同意を得るのは難しい。文字が持つ各人に想像させる力はすごい。

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